蛇行していた火星のかつての川の跡 | アストロピクス

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蛇行していた火星のかつての川の跡

画像中央を縦に走っているのは、火星でかつて流れていた川の跡です。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが撮影しました。

川の跡は窪んでおらず、周囲に対して高くなっています。これは川の水がなくなった後、川底だった部分が侵食されにくかった一方で、周囲が風によって侵食されて削られたためにこのようになったものです。

画像右側には、かつての「三日月湖」の跡のようなものも映っています。蛇行が激しいと川の流れがショートカットしてつながり、蛇行していた部分が途切れて取り残されることがあります。そのようにしてできる湖を「三日月湖」といいます。火星のこの場所でも、かつて三日月湖として存在していたかもしれません。

火星では破局的な洪水によってできたとみられる水路も存在しています。対照的にこの画像のような水路は、ゆっくりと時間をかけて形成されました。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載されたHiRISEというカメラのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。冒頭の画像は2013年11月11日に撮影されたもので、2020年12月21日のHiPODとして紹介された画像です。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE