マーズ・エクスプレスが見た火星の「ハッピーフェイス・クレーター」 | アストロピクス

マーズ・エクスプレスが見た火星の「ハッピーフェイス・クレーター」

この画像は、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の火星探査機マーズ・エクスプレスのHRSC(高解像度ステレオカメラ)で撮影されたものです。火星の「ガレ・クレーター」が映っています。ガレ・クレーターは、火星の南半球にあるアルギュレ平原の東側にあります。

ドイツの天文学者J.G.ガレにちなんで名付けられた直径230kmのこのクレーターは、「ハッピーフェイス・クレーター」とも呼ばれています。クレーター内の地形の関係で、まるで笑顔のように見えるからです。

アストロピクスでは以前、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーが撮影した画像を紹介したことがあります。マーズ・グローバル・サーベイヤーの画像はガレ・クレーターを斜めから撮影したものでしたが、マーズ・エクスプレスのこの画像は真上からクレーターをとらえています。

ガレ・クレーターの南側には、層状の堆積物が積み重なった巨大な露頭があります。またクレーター内部には、多くの砂丘や塵旋風の跡など、風によって形成された地形が見られます。

クレーターのクローズアップ。

こちらの画像は、クレーター内の地形を斜めから見ています。「口」にあたる地形の南側から見ており、奥に「目」にあたる地形が映っています。

Image Credit: ESA/DLR/FU Berlin (G. Neukum), CC BY-SA 3.0 IGO

(参照)ESA