火星のアルバ山付近には、南北方向に走る「グラーベン(地溝)」と呼ばれる溝状の地形が数多く存在します。この画像は、そのようなグラーベンの一つ「タンタロス・カテナ」の一部をとらえた画像です。
この地域のほかのグラーベンは「フォッサ(細長い窪み)」と呼ばれていますが、画像に映る地形はクレーターのような円形の窪みが連鎖した地形である「カテナ」と呼ばれています。
タンタロス・カテナに見られる円形の窪みは、隕石による衝突クレーターではなく、地下の溶岩チューブなどの天井部分が崩落してできたものだと見られています。
画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機2001マーズ・オデッセイが2021年4月17日に撮影したもので、9月7日に公開されました。
こちらはアルバ山周辺の高度マップです。溝状の地形が数多く見られます。冒頭の画像は、白い楕円のあたりを映したものです。火星でのアルバ山の位置については過去記事「火星の高度マップ」をご覧ください。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU