ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、ケンタウルス座の原始惑星状星雲IRAS 13208-6020。中心の星から放出された物質が、右上と左下方向でぼんやりと光っています。
太陽程度の星は年老いると赤色巨星になり、やがて星の外層のガスを放出するようになります。中心星からの紫外線で、周囲に放出されたガスが電離して輝く天体が「惑星状星雲」です。
画像に映るIRAS 13208-6020は、まだその段階には至っていません。ガスが電離して光っているわけではなく、星からの光を反射して光って見えています。原始惑星状星雲と呼ばれるこのような状態は長くは続かず、比較的短期間しか見られない現象です。
IRAS 13208-6020では、逆向きの2方向に物質が放出される双極状の天体で、中心の星のまわりには塵のリングがあります。
画像は2011年6月6日にリリースされたハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」です。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA
(参照)ESA/Hubble