2021年6月21日、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星ヘリコプター「インジェニュイティ」の8回目の飛行が行われ成功しました。8回目の飛行では、ヘリコプターは10メートルまで上昇し、南東へ約160メートル移動したのちに下降して着陸しました。飛行時間は約78秒でした。
8回目の飛行に先立って、システムを監視する「ウォッチドッグ」に起因する問題に対処するため、ソフトウェアのアップデートが行われました。6月18日に低速回転によってシステムを確認するテストが行われていましたが、8回目の飛行の成功によって、ソフトウェアのアップデートがうまくいったことが確認されたとのことです。
インジェニュイティの7回目と8回目の飛行では、カラー画像の撮影は行われませんでした。これはアストロピクスでもお伝えした、6回目の飛行時に発生したトラブルと関係があります。その時のトラブルは、ヘリコプターに搭載されているカラーカメラでの撮影プロセスがきっかけとなり、航法カメラの画像が欠落してしまったことが原因と見られています。7回目と8回目の飛行でカラー画像が撮影されなかったのは、その不具合を避けるためです。不具合に対応し、カラー画像を再び撮影できるようにするアップデートが近日中に予定されているとのことです。そのアップデート後に、インジェニュイティの9回目の飛行が予定されています。