大規模な太陽フレアを引き起こした巨大黒点群

2024年5月8日〜10日にかけてXクラスの大規模な太陽フレアが連続して発生しました。太陽フレアは、太陽の表面にみられる暗い「黒点」付近で発生します。画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽観測衛星SDOが2024年5月10日7時15分(世界時、以下同じ)に撮影したもので、太陽面の右下側に、それらのフレアを引き起こした巨大な黒点群が映っています。

黒点は、特に暗い「暗部」とその周辺の「半暗部」からなります。太陽表面の他の部分より温度が低いため暗く見えます。画像に映る暗部の中には、地球よりも大きなものもあります。

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黒点群が巨大化する映像

こちらは黒点群が大きくなっていく様子をとらえた動画です。映像の冒頭の画像は5月7日0時15分、最後の画像は5月10日7時00分に撮影されたもの。SDOが撮影した画像をつなげたタイムラプス映像です。

こちらは黒点周辺のクローズアップです。

NICT(情報通信研究機構)によれば、太陽フレアに伴ってコロナガスが地球の方向へ放出されたことが確認されたとのこと。日本時間5月10日夜以降に順次到来することが予測されており、その影響で人工衛星の障害やGPSの誤差の増大、短波通信障害などが発生するおそれがあるとし、注意を呼びかけています。

(参考記事)
最強Xクラスの太陽フレアが頻発! 観測衛星がとらえた太陽表面の爆発現象
太陽表面に出現した地球66個分の巨大な黒点

Image Credit: Courtesy of NASA/SDO and the AIA, EVE, and HMI science teams.

(参照)SDONICT