最強Xクラスの太陽フレアが頻発! 観測衛星がとらえた太陽表面の爆発現象

5月に入り、Xクラスの大規模な太陽フレアが頻発しています。先日、5月3日(UT、以下同じ)に発生したX1.6のフレアの動画を紹介しましたが、その後も5月5日から9日にかけての5日間で、Xクラスのフレアが8回発生しました。上の画像は、8回のうち最も大規模だった、5月6日6時35分をピークとする太陽フレアを、NASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽観測衛星SDOが13.1nmの極端紫外線でとらえたものです。

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8回のXクラス太陽フレアの映像

こちらの動画には以下の8回のフレアが順に収めてあります。

5月5日6時1分 X1.3
5月5日11時54分 X1.2
5月6日6時35分 X4.5
5月8日1時41分 X1.0
5月8日5時09分 X1.0
5月8日21時40分 X1.0
5月9日9時13分 X2.2
5月9日17時44分 X1.1

日時はピークとなった時刻です。これらのXクラスの太陽フレアの間には、Mクラスの中規模な太陽フレアも頻発しています。

動画は、SDOが13.1nmの極端紫外線で撮影した画像をもとに作成したものです。13.1nmの波長の画像は、太陽コロナの1000万度の領域をとらえています。動画の最後には、5月5日から9日にかけての太陽全体を映した映像を加えてあります。

太陽フレアはX線の強度によってA、B、C、M、Xの5段階に分けられています。Xが最も規模の大きなフレアです。また、アルファベットの後の数字が大きいほど規模が大きいことを示しています。

規模の大きなフレアが起こると、地上で停電や通信障害が発生することがあります。また人工衛星に障害を発生させたり、ISS(国際宇宙ステーション)に滞在する宇宙飛行士の被曝量が大幅に増えたりすることもあります。

太陽は11年周期で活動が活発になったり穏やかになったりします。太陽の活動の周期(サイクル)は1755年から番号が付けられており、2019年12月からは第25周期に入りました。現在は活動が最も活発な活動極大期に向かっているところです。第25周期では、2月22日にX6.3のフレアが発生しています。

(参考記事)大規模な太陽フレアを引き起こした巨大黒点群

Image Credit: NASA/SDO
Video Credit: SDO/NASA/Helioviewer.org

(参照)NASA blog - Solar Cycle 25(1)(2)(3)(4)Helioviewer.org