ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河「Z 229-15」。Z 229-15は、こと座の方向、約3億9000万光年の距離にあります。銀河中心が明るく輝き、周囲を青みを帯びた星々がリング状に取り巻いているように見えます。中心から左右方向に腕が伸び、青みがかった星々のリングにつながっています。さらにその外側にも、非常に淡いリング状の構造が映し出されています。
Z 229-15の中心には、活動銀河核(AGN)の一種であるクエーサーが存在しています。活動銀河核は、超巨大ブラックホールにガスや塵が落ち込んでいくときに形成される円盤が非常に明るく輝く領域です。銀河中心のごく狭い領域であるにもかかわらず、銀河全体より強い電磁波を放射することもあります。クエーサーは非常に明るいAGNで、通常は非常に遠方の宇宙にあります。数億光年の距離にあるZ 229-15は、クエーサーとしては比較的近傍に存在しています。
画像はハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)とACS(掃天観測用高性能カメラ)で撮影されたもので、2023年3月27日にハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Barth, R. Mushotzky
(参照)ESA/Hubble