4光年に1000個以上の星が密集 「超星団」ウェスタールンド1

この画像に映っているのは、「ウェスタールンド1(Westerlund 1)」と呼ばれる星団です。ハッブル宇宙望遠鏡の画像にチャンドラX線望遠鏡の画像を合成しています。

チャンドラX線望遠鏡がとらえたX線は、若い星(主に白とピンク)と、星団全体に広がる高温ガス(ガスの温度が上がる順にピンク、緑、青で表示)を示しています。ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた星々は、黄色や青色の点として見えています。

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質量は太陽の5万〜10万倍

ウェスタールンド1は「超星団(super star cluster)」と呼ばれる巨大な星団で、太陽の5万〜10万倍の質量を含んでいます。まだ若い星団で、形成されてから300万〜500万年ほどしか経っていません。ウェスタールンド1は、天の川銀河にある超星団の中で最大のものです。また1万3000光年の距離にあり、地球に最も近い超星団でもあります。

天の川銀河では、100億年ほど前には非常に多くの星が形成されていました。そのような激しい星形成の多くは、ウェスタールンド1のような超星団で発生したと考えられています。

チャンドラX線望遠鏡の観測から、検出された1075個の星が星団の中心からわずか4光年以内に密集していることがわかりました。4光年というと、太陽と、太陽に最も近い恒星との間の距離に相当します。宇宙規模でみるとごく狭い範囲の中に、1000個以上の星が詰まっていることになります。

Image Credit: X-ray: NASA/CXC/INAF/M. Guarcello et al.; Optical: NASA/ESA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/L. Frattare

(参照)Chandra X-ray Observatory