ウルトラホットジュピターの大気の温度マップ ウェッブ望遠鏡が測定成功

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡により太陽系外惑星「WASP-18 b」が観測され、惑星表面の温度マップが作成されました。

WASP-18 bは地球から400光年離れたところにあります。太陽よりやや大きな恒星のすぐ近くを1周わずか23時間で公転する、木星の10倍の質量を持つウルトラホットジュピターです。これまで地上望遠鏡に加え、ハッブルやチャンドラ、スピッツァーなどの宇宙望遠鏡でも観測されてきました。

惑星の温度マップは、惑星が主星の向こう側に隠れる「2次食」の観測データを利用して作成されました。WASP-18 bは、地球の月と同じように常に同じ面を主星に向けています。温度マップは、恒星に面した最も高温な地点と昼夜境界の領域とで1000度もの大きな温度変化があることを示しています。

昼夜境界の温度が低いことから、風が熱を効率よく夜側に再分配するのを妨げているものがあると見られています。一つの可能性としては、惑星の強力な磁場の影響により、風が東西方向に吹くのではなく、赤道から北極・南極方向へと吹いている可能性があるとのことです。

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大気から水蒸気も検出された

約2700℃という高温にもかかわらず、惑星の大気のスペクトルからは水蒸気が存在していることもわかりました。WASP-18 bのスペクトルにおける水蒸気の痕跡が検出されたのは初めてで、これはウェッブ望遠鏡の高感度を物語っています。WASP-18 bの大気中で記録された量は、水蒸気がさまざまな高度で存在していることを示唆しています。

「WASP-18 bのスペクトルを分析することによって、大気中に存在するさまざまな分子だけでなく、それがどのように形成されたのかについても知ることができます。私たちは、WASP-18 bの観測から、その組成が主星と非常に似ていることを発見しました。これはおそらく、恒星が形成された後に残ったガスから形成された可能性が高いことを意味しています」と、論文の筆頭著者であるモントリオール大学のLouis-Philippe Coulombe氏は語ります。「これらの結果は、太陽系には存在しないWASP-18 bのような奇妙な惑星が、どのようにして存在するようになったのかを明確に理解するうえで非常に重要です」

Image Credit: NASA/JPL-Caltech (K. Miller/IPAC)

(参照)Exoplanet Exploration