地球から210光年の距離にある、太陽に似た恒星HD 108236には、地球の1.5倍ほどの質量をもつスーパーアースHD 108236 bと、そのほかに4つのミニネプチューン(ミニ海王星)が存在しています。
最も内側のスーパーアースHD 108236 bは約3.8日で恒星の周りを公転しており、表面温度は825℃もあります。そのため生命存在の可能性はありません。
恒星HD 108236は明るく、天文学的に見れば地球から近い距離にあります。今後、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などにより、恒星の手前をミニネプチューンが横切る際に惑星大気を通過してきた星の光をとらえることで、大気組成などを知ることができるだろうと期待されています。
またスーパーアースとミニネプチューンの間のサイズの惑星はあまり見つかっておらずギャップがあります。なぜそうなのかについては、恒星からの強烈な放射によってミニネプチューンの大気がはぎ取られ、岩石のコアが残されるという説があります。やはり星の明るさを頼りに、天文学者はHD 108236 bがそのような惑星であるかどうかを調査しようとしています。
HD 108236の周りの太陽系外惑星は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のTESSによる2019年の観測データからスーパーアースと3つのミニネプチューンが発見され、その後、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)のケオプス(Cheops)のデータからもう1つの惑星が発見されました。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech