ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた「アインシュタイン・リング」 | アストロピクス

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた「アインシュタイン・リング」

この画像は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が「アインシュタイン・リング」をとらえたものです。一見すると一つの銀河に見えるかもしれませんが、手前にある楕円銀河のまわりで、奥にある銀河の像がリング状に取り巻いています。

まわりに重力を及ぼす、質量を持った天体の近くで光が曲がることを「重力レンズ」といいます。重力レンズは、質量を持つ天体によってまわりの空間がゆがむために起こります。

遠方の銀河の手前に別の銀河があると、手前側の銀河の重力によって、奥にある銀河の像が歪んだり引き伸ばされたりします。奥の天体と手前の天体、そして地球が一直線に並ぶと、奥の天体の像がリング状に見えます。これがアインシュタイン・リングです。

手前にある楕円銀河は、SMACSJ0028.2-7537という銀河団に属しています。その楕円銀河を取り巻いているのは渦巻銀河です。歪んではいますが、星団やガスの構造が見えています。

なお画像には、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像も合成されています。

ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2025年3月27日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。

(参考)
「ウェッブ望遠鏡Picture of the Month」記事一覧
「アインシュタイン・リング」記事一覧

Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, G. Mahler; Acknowledgement: M. A. McDonald

(参照)ESA/Webb