火星のアルギュレ平原で見られたダストデビルの移動の痕跡 | アストロピクス

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火星のアルギュレ平原で見られたダストデビルの移動の痕跡

この画像は火星探査機トレース・ガス・オービター(TGO)が、火星の南半球の高地にあるアルギュレ平原(アルギュレ盆地)の一画をとらえたものです。たくさんの丘が無秩序に並んでいるようすは、火星のあちらこちらに見られる「カオス地形」に似ています(参考記事:マーズ・エクスプレスがとらえた火星のカオス地形)。

画像には全体的に青い筋が見られます。これは火星表面で発生したダストデビル(塵旋風、つむじ風)が移動した跡です。日射で温められた表面付近の空気が急上昇するときに発生するもので、地球上でもよく見られる現象です。青い筋は、ダストデビルが移動しながら火星表面の塵を吹き飛ばし、塵の下が見えている部分です。

こちらは冒頭の画像の中央付近のクローズアップ。ダストデビルの移動した跡が多数映っています。

TGOは、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)とロシア・ロスコスモスが共同で進めるエクソマーズ計画で打ち上げられた探査機です。2016年3月14に打ち上げられ、同年10月に火星の周回軌道に入りました。画像は2021年2月1日に撮影されたもので、2022年2月11日にESAから公開されました。

Image Credit: ESA/Roscosmos/CaSSIS, CC BY-SA 3.0 IGO

(参照)ESA