内部に段がある火星の小さなクレーター | アストロピクス

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内部に段がある火星の小さなクレーター

火星のアルカディア平原にある小さなクレーターを、 NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえた画像です。

小さな衝突クレーターは通常、単純なお椀状の形をしています。しかし衝突場所に強度の異なる層が存在していると、より複雑な形状のクレーターになることがあります。たとえば強い層の上に弱い層が重なっている場合、クレーター内に段段ができることがあります。

画像のクレーターには内部に段が二つあり、少なくとも三つの異なる層があることを示唆しています。この場合、おそらく氷の層(弱)と岩の層(強)からなるとみられます。このような画像は、火星の表面近くの地下のようすを調べるために役立ちます。

このクレーターがあるアルカディア平原の位置については過去記事「火星の高度マップ」に掲載した地名入り地形図をご覧ください。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2013年8月11日に撮影されたもので、2020年11月29日のHiPODとして紹介された画像です。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE