火星表面で動き回ったダストデビルの痕跡 | アストロピクス

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火星表面で動き回ったダストデビルの痕跡

この画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが、火星の南半球の高緯度地域にあるクレーター内をとらえたものです。画像右側は暗い砂丘地帯の端の部分が見えており、左側は明るい平原になっています。

暗い砂丘は太陽光をより多く吸収するため温かくなります。温かくなった砂丘の上では上昇気流が生じてダストデビル(塵旋風)が発生します。その後ダストデビルは平原に出てきて踊るように動いていきます。表面の明るい塵がダストデビルによって持ち上げられ、暗い痕跡を後に残します。

なお画像は青緑、赤、赤外で取得した画像を青、緑、赤に割り当てて色合成した擬似カラー画像ですので、肉眼で見た色とは異なります。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2020年9月3日に撮影されたもので、2020年10月7日のHiPODとして紹介された画像です。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE