大マゼラン銀河と小マゼラン銀河は、天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)です。それら大小マゼラン銀河の高解像度の最新画像が公開されました。
これらの画像は、大小マゼラン銀河を対象とした「SMASH(Survey of the MAgellanic Stellar History)」という観測研究で得られたものです。SMASHは、南米チリ北部のセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)にあるビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載された5億7000万画素の高性能ダークエネルギー・カメラ(DECam)を使って行われました。
これらの画像には、二つの矮小銀河を構成する星やガス、塵の詳細がとらえられています。大小マゼラン銀河は他の伴銀河とは異なり、現在も活発に星形成が進行中です。
このような矮小銀河は宇宙に多く存在していますが、研究対象とするには遠くて暗すぎるものがほとんどです。大小マゼラン銀河は近くにあるので研究しやすい一方で、夜空で広範囲に広がっているため全貌を観測するのは大変です。一度に3平方度(満月約14個分)の範囲を撮影できる広い視野を持つDECamによって詳細をとらえることが可能になりました。これらの画像を含めたSMASHサーベイ全体では、満月の2400倍の面積がカバーされています。
Credit:
CTIO/NOIRLab/NSF/AURA/SMASH/D. Nidever (Montana State University)
Acknowledgment: Image processing: Travis Rector (University of Alaska Anchorage), Mahdi Zamani & Davide de Martin
(参照)NOIRLab