この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが火星のタービー・クレーター内の一部をとらえたものです。タービー・クレーターは火星の南半球、巨大な衝突盆地であるヘラス平原の北の端にある、直径約171.5kmのクレーターです。
画像中央付近にある斜面には、何層にもなる地層が露出しているのが映っており、さまざまな色や質感があるのがわかります。堆積岩は風や水によって運ばれた細かい粒子からなり、一般に平坦な場所に堆積して時間とともに硬くなり岩石となります。画像に映るような地層を撮影し組成などを調べることは、過去の火星の変遷を調べるうえで重要です。
マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2022年1月22日に撮影されたもので、2022年5月19日のHiPODとして紹介されました。
Image Credit: NASA/JPL/UArizona
(参照)HiRISE