赤い大地と白い氷が対照的な火星のクレーター | アストロピクス

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赤い大地と白い氷が対照的な火星のクレーター

この画像は、火星探査機トレース・ガス・オービター(TGO)が火星表面をとらえたものです。赤錆びた大地を水の氷が覆っている風景が映し出されています。画像を紹介しているESA(ヨーロッパ宇宙機関)のWebページでは、レッドベルベットケーキに白い粉砂糖を振りかけたようだと表現されています。

画像が撮影されたのは2021年7月5日。画像中央には、北緯70.6度の火星の北極圏にある直径4キロメートルのクレーターが映っています。このクレーターは部分的に水の氷で覆われており、年間を通じて日の当たる時間が短い北向きの斜面に、特に多くの氷が存在しています。

クレーターの縁にみられる黒い物質は、玄武岩などの火山性物質と見られています。また画像右下部分に暗い筋が見られますが、これは風によって表面から明るい酸化鉄が取り払われ、下の暗い大地が露出したものです。

TGOは、ESAとロシア・ロスコスモスが共同で進めるエクソマーズ計画で打ち上げられた探査機です。2016年3月14に打ち上げられ、同年10月に火星の周回軌道に入りました。冒頭の画像は2021年12月24日にESAから公開されたものです。

Image Credit: ESA/Roscosmos/CaSSIS, CC BY-SA 3.0 IGO

(参照)ESA