火星のバルハン砂丘

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが火星のクレーターの底にある砂丘をとらえたものです。「バルハン砂丘」と呼ばれるタイプの砂丘が映っています。

バルハン砂丘は地球上でも見られる三日月のような形をした砂丘で、砂が少なく一定方向へ風が吹くときに形成されます。バルハン砂丘の風上(上の画像では右上)側は傾斜がゆるやかで、風下側は急斜面になっています。また風下側が角(つの)のような形になっているのが特徴的です。時間の経過とともに風下側に移動していきます。

この画像では、いくつかのバルハン砂丘が合体して、より大きなバルハン砂丘を形成している例が映っています。このようなことは、さまざまな状況で発生する可能性があります。たとえば、速く移動する小さな砂丘が、動きの遅い大きな砂丘に追いついて吸収されるなどです。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載されたHiRISEというカメラのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。冒頭の画像は2009年8月22日に撮影されたもので、2020年7月19日のHiPODとして紹介された画像です。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

https://www.uahirise.org/hipod/ESP_014404_1765