銀河系中心付近、赤外線であらわになった隠れた星々 | アストロピクス

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銀河系中心付近、赤外線であらわになった隠れた星々

この画像は、天の川銀河の中心に近い「いて座B1」と呼ばれる分子雲を赤外線でとらえたものです。南米チリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)で撮影されました。

天の川銀河の中心部は星が密集した環境で、多くの星が形成されていることが示唆されています。しかし予測される若い星の10%未満の星しか発見されていません。塵とガスの雲によって星の光がさえぎられてしまっているのです。

赤外線を使うと、そのような雲を見透すことができます。冒頭の画像は、VLTに設置された赤外線カメラ「HAWK-I」で撮影されたもので、雲に隠れていた無数ともいえる星が映し出されています。ドイツ、マックスプランク天文学研究所のFrancisco Nogueras Lara氏らの研究チームは最近の研究で、質量の合計が太陽の10万倍以上にも及ぶ過剰な若い星がこの領域に存在することを発見しました。

この画像は、銀河系中心の高解像度赤外線画像を取得することを目的としたGALACTICNUCLEUSサーベイで撮影されたもので、2022年8月29日にESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

Image Credit: ESO/Nogueras-Lara et al.

(参考記事)銀河系中心領域の超精細画像をESOのVLTがとらえた

(参照)ESO