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以前と比較してかなり暗いと2019年末ごろから話題になっているオリオン座の赤色超巨星ベテルギウス。そのベテルギウスを、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)に設置した観測装置「SPHERE」で観測した新たな画像が2020年2月14日に公開されました。
ベルギー、ルーヴェン・カトリック大学の天文学者Miguel Montargès氏が率いる研究チームが、減光の理由を探るため、2019年1月と12月にベテルギウスの観測を行いました。上の画像は2019年12月に撮影されたものです。
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こちらは2019年1月に撮影されたベテルギウスの画像です。
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2019年1月の画像と12月の画像を並べてみると、1月のものに比べて12月に撮影されたベテルギウスが暗くなっており、みかけの形も変化していることが分かります。
ベテルギウスの減光は超新星爆発の前兆ではないかという話も、ネット上などでは出ていました。ただ、ベテルギウスはいずれ超新星爆発を起こすとみられてはいますが、天文学者は今すぐに超新星爆発が起きるとは考えていません。減光の理由としてMontargès氏は、ベテルギウスに例外的な恒星の活動が起きているか、地球の方向に向かって塵が放出されているからではないかという2つのシナリオを考えているといいます。
Image Credit: ESO/M. Montargès et al.