まるでクラゲ? アルマ望遠鏡やVLTがとらえた銀河の「尾」 | アストロピクス

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まるでクラゲ? アルマ望遠鏡やVLTがとらえた銀河の「尾」

この画像は、渦巻銀河ESO 137-001をとらえたものです。ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された画像に、アルマ望遠鏡のデータと、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)に設置されたMUSEのデータが重ねられています。左上にある銀河から尾のような構造が伸び、まるでカラフルなクラゲのようにも見えます。

銀河から右下方向に伸びる紫色の尾は、MUSEでとらえられた水素の流れを示しています。一方、尾の部分でところどころに見られる赤っぽい部分は、アルマ望遠鏡で観測された二酸化炭素を示しています。

ESO 137-001は、銀河団の中を移動しています。移動するとき、銀河団ガスによる圧力を受けてESO 137-001内のガスがはぎ取られ、画像に見られるような尾が作られました。このような現象は、動圧(ラム圧)によるガスのはぎ取りと呼ばれます。

この画像は、はぎ取られてできた尾に潜む低温の分子ガスの分布を、初めて高解像度で示したものです。 ESO 137-001の長く伸びる尾には、爆発的な星形成が起きている「火の玉」と呼ばれる領域が含まれています。尾の中で星が形成されるメカニズムは正確には分かっておらず、このような低温の分子ガスの分布マップは、激しく変化する環境で星が形成される条件を知るための手がかりを与えてくれます。

2019年9月30日にリリースされたESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」の画像です。

Image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), P. Jachym (Czech Academy of Sciences) et al.

https://www.eso.org/public/images/potw1939a/