最小の準惑星となるか。VLT(超大型望遠鏡)の観測で小惑星ヒギエアの形が明らかに | アストロピクス

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最小の準惑星となるか。VLT(超大型望遠鏡)の観測で小惑星ヒギエアの形が明らかに

この画像は、小惑星帯にある小惑星ヒギエアをとらえたものです。ヒギエアは、小惑星帯でケレス(セレス)、ベスタ、パラスに次いで4番目に大きな天体です。ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLTに設置された観測装置SPHEREで撮影されました。

SPHEREでの観測によって、ヒギエアが準惑星として分類しうる天体であることが分かりました。準惑星の要件の1つに、自己重力によってほぼ球形をしていることが挙げられています。ヒギエアがほぼ球形をしていることが観測されたことから、準惑星としての要件を満たすことが分かりました。

観測から推定したヒギエアの直径は430km強で、すでに準惑星に分類されているケレス(直径約950km)の半分以下の大きさです。準惑星に分類されれば、最も小さな準惑星となります。

同じような軌道にある小惑星のグループを「族(ファミリー)」と呼びます。ヒギエアは7000個近くの小惑星からなる「ヒギエア族」で最大の天体です。それら多数の小天体を生み出すことになった衝突の痕跡であるクレーターが、ヒギエアで見つかると予想されていました。しかし実際には、比較的小さなクレーターが2つ見つかっただけでした。

研究チームでは数値シミュレーションの結果、20億年ほど前に親天体が直径75~100kmの天体と正面衝突した結果粉々になり、その破片が再び集まることでヒギエアと多数の小惑星ができたのではないかと推定しています。

Image Credit: ESO/P. Vernazza et al./MISTRAL algorithm (ONERA/CNRS)

https://www.eso.org/public/images/eso1918a/