ハッブル望遠鏡がとらえたハービッグ・ハロー天体「HH 1」「HH 2」 | アストロピクス

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ハッブル望遠鏡がとらえたハービッグ・ハロー天体「HH 1」「HH 2」

この画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したもので、「ハービッグ・ハロー天体」と呼ばれるタイプの天体が映っています。ハービッグ・ハロー天体は、生まれたばかりの星から噴き出したガスのジェットが周囲のガスと衝突して光っている天体です。この画像では右上にハービッグ・ハロー天体「HH 1」、左下に「HH 2」が雲のように見えています。どちらもオリオン座の方向、約1250光年の距離にあります。

HH 1とHH 2を生み出す元になった星は、画像中央に暗く見えている塵の雲の中に潜んでいます。その星から双極方向に噴き出したジェットが、これらの天体を作っているのです。HH 1に向かうジェットはこの画像にも見えています。2002年に行われたハッブル望遠鏡の観測では、HH 1の一部が秒速400km以上で動いていることが明らかになりました。なお右上の雲のそばにある明るい星は、これらのハービッグ・ハロー天体より近くにある無関係な星です。

画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で、赤外線、可視光、紫外線の波長で11の異なるフィルタを通して撮影された画像を合成したものです。2022年10月17日にハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, B. Reipurth, B. Nisini

(参照)ESA/Hubble