マーズ・オデッセイがとらえた火星の溝状地形ニリ・フォッサ | アストロピクス

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マーズ・オデッセイがとらえた火星の溝状地形ニリ・フォッサ

画像は火星のニリ・フォッサ(Nili Fossae)と呼ばれる地溝をとらえた画像です。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機2001マーズ・オデッセイによって撮影されました。

ニリ・フォッサは、かつての天体衝突によってできたイシディス平原の北西に位置しており、湾曲した断層や、断層と断層の間に物質が落下してできた溝(「グラーベン」と呼ばれます)がいくつもあります。グラーベンの深さは500mほどで、イシディス平原の縁に沿って弧を描いています。イシディス平原を満たしていた溶岩流の重みで地殻が陥没してグラーベンができたと見られています。

なおイシディス平原の位置については、過去記事(「火星の高度マップ」)をご覧ください。

マーズ・オデッセイに搭載された熱放射撮像システム (Thermal Emission Imaging System; THEMIS)のVIS(Visible Imaging Subsystem)カメラには、可視光領域のフィルタが5つ搭載されています。画像は異なるフィルタの組み合わせにより作成された擬似カラー画像です。2019年10月22日に撮影され、2021年5月26日にリリースされました。

マーズ・オデッセイは2001年4月に打ち上げられました。同年10月に火星の周回軌道に入って以降、現在も火星を周回しながら観測を続けている現役最古参の火星探査機です。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU

(参照)Planetary Photojournal