この画像に映っているのは、大マゼラン銀河にある明るい星団NGC 1850です。大マゼラン銀河は天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)で、かじき座の方向、約16万3000光年の距離にあります。
画像は、チャンドラX線望遠鏡のX線(マゼンタ)、ハッブル宇宙望遠鏡の可視光(赤、黄、緑、シアン、青)、スピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線(赤)を組み合わせたものです。
NGC 1850には、太陽の約11倍の質量をもつブラックホールが存在することが2021年に判明しました。そのブラックホールには伴星が存在しますが、ブラックホールは伴星からガスを吸い込んでいません。ブラックホールにガスが落ち込んでいく際には、ガスが高温になってX線を放射しますが、チャンドラ望遠鏡のデータからも、そのようなX線がはっきりとは検出されていません。
(参考記事)大マゼラン銀河の星団に潜む恒星質量ブラックホールを発見
1999年7月に打ち上げられた、NASA(アメリカ航空宇宙局)のチャンドラX線望遠鏡は、2024年7月で25周年を迎えました。打ち上げ25周年を記念して、チャンドラ望遠鏡のX線データを含む25点の新たな画像が公開されました。冒頭の画像は、その25点のうちの1枚です。
Image Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical: NASA/ESA/STScI; Infrared: NASA/JPL/CalTech/Spitzer; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major, K. Arcand