スペースデブリ(宇宙ごみ)のまわりを周回しながら撮影した画像が公開されました。画像に映っているのは2009年に打ち上げられたH-IIAロケットの上段。撮影したのはアストロスケール社が運用する衛星ADRAS-Jです。アストロスケール社によると、本物のスペースデブリの周囲を飛行する運用に成功したのは世界初とのことです。
画像は2024年7月15日(1枚目)と16日(2枚目)に、デブリまで一定の距離(約50m)を保ちつつ撮影されました。画像に映るデブリは全長約11m、直径約4m、重量約3トンで、PAF(ロケットと衛星をつなぐ台座にあたる部分)を地球の中心方向に向けて静止しています。そのまわりを周回しながら連続撮影したことで、デブリがさまざまな角度から見えています。
ADRAS-Jは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が進める「商業デブリ除去実証(CRD2)」のフェーズIの実証衛星です。CRD2は、デブリ除去技術の獲得などを目的とするJAXAの取り組み。CRD2のフェーズIIでは、デブリ除去技術の軌道上実証を行うことになっています。
Image Credit: Astroscale