NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車キュリオシティが、過去の土石流の痕跡と見られる「ゲディズ峡谷リッジ(Gediz Vallis Ridge)」と呼ばれる尾根に到達しました。画像はその尾根で、2023年8月19日に撮影された画像を元に作られた360度パノラマです。
キュリオシティは2014年以来、アイオリス山(シャープ山)を登っています。アイオリス山は、下の方ほど古く、上に行くほど新しい地層になります。ゲディズ峡谷リッジは、アイオリス山で地質学的に最も新しい地形の一つです。
画像の右端付近には、かつての湖の痕跡が発見された「ハーカーバンドバレー」を含む、キュリオシティがこれまで通過してきた方向が映っています。
こちらは冒頭の画像の中央右側のクローズアップです。黒っぽい岩がたくさん転がっていますが、これらの黒い岩は土石流によってアイオリス山の標高の高いところから運ばれてきたものです。キュリオシティは、みずから訪れることのできない高いところから運ばれてきた岩石を観察することができたのです。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS