土星の向こう側から衛星タイタンが現れたところを、土星探査機カッシーニがとらえた画像です。
画像右上に映っているのがタイタンです。タイタンは直径5150kmで、土星の衛星の中では最大の天体です。分厚い大気に包まれており地表付近は1.5気圧にもなります。このような分厚い大気に包まれた天体は、太陽系内の衛星としてはタイタンだけです。上空は靄(もや)に覆われているため、可視光では宇宙からタイタンの地表を見ることはできません。暗いオレンジ色に見えているのは、その靄のためです。
左下には衛星テティスが映っています。テティスの直径は1071kmで、土星の衛星の中では5番目に大きな天体です。表面は氷に覆われていると見られおり、白っぽく映っています。
カッシーニ探査機はリング平面の3度ほど上からこの画像を撮影しました。リングの太陽光が当たっていない面をとらえており、リングのうち太陽光が透けない部分が暗くなっています。リング面の下から太陽光が当たっているため、リングの影が土星本体の上側に落ちています。
画像は2008年1月30日に撮影されました。撮影時、カッシーニ探査機は土星から約130万kmの距離に位置していました。
Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute