ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた球状星団M80 | アストロピクス

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ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた球状星団M80

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が球状星団M80をとらえたものです。M80は、さそり座の方向、約2万8000光年の距離にあります。M80の見かけの明るさは7.9等で、1781年にシャルル・メシエによって発見されました。

球状星団は数万から数百万個の星が、ほぼ球状に集まった星団です。天の川銀河には160個ほどの球状星団があることが知られています。M80はその中でも最も密度の高い球状星団の1つです。

M80は、1860年に新星が発生したことが知られています。新星の爆発は、伴星から白色矮星に水素が供給され、降り積もった水素が白色矮星の表面で熱核暴走反応を起こすことで発生します。

また、ハッブル宇宙望遠鏡によるM80の中心部の観測から、他の星々より異常に若く、また質量の大きな「青色はぐれ星」の集団が発見されました。ハッブル宇宙望遠鏡によって調査された他の球状星団と比べ、M80には青色はぐれ星が2倍以上多く含まれています。

画像は紫外線、可視光、赤外線でとらえた画像を合成したものです。2023年3月18日にNASA(アメリカ航空宇宙局)のウェブページで公開されました。

Image Credit: NASA, ESA, and G. Piotto (Universita degli Studi di Padova); Image Processing: Gladys Kober

(参照)NASA