火星ヘリ「インジェニュイティ」、50回目の飛行映像 | アストロピクス

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火星ヘリ「インジェニュイティ」、50回目の飛行映像

この映像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星ヘリコプター「インジェニュイティ」の50回目の飛行時に撮影されたものです。

50回目の飛行は、2023年4月13日(763火星日)に行われました。最高速度は秒速4.6mで飛行距離は322m、最高高度18mで、145.7秒間飛行しました。「Airfield Lambda」と呼ばれる地域で離陸し、「Airfield Mu」と呼ばれる地域に着陸しました。

映像の最初では、上昇とともにヘリコプターの影が小さくなっていきます。プロペラが動いているのも影からわかります。その後、水平に移動していきます。しばらく飛行したのち、向きを変えながらホバリングしているのが影の位置や地形からわかります。着陸後の最後の画像には、多くの小石が映っています。画面右上と右下にはインジェニュイティの脚がわずかに見えています。

このタイムラプス映像は、インジェニュイティの胴体部分に取り付けられているナビゲーションカメラで撮影された画像を元に編集部で作成しました。ナビゲーションカメラのデータは、飛行中にリアルタイムで位置や姿勢を決定するために使われており、火星表面を追跡するため真下を向いています。

インジェニュイティは、パーサヴィアランスに連れられて火星に降り立ちました。2021年4月に初飛行に成功。当初は5回以内の試験飛行が予定されていましたが、インジェニュイティは想定をはるかにこえて稼働しており、50回目の飛行を終えた時点での総飛行距離は1万1546mに達しました。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
映像制作: Noriaki Okamoto

(参照)Mars Helicopter Tech Demo