かつて100万個の星が引き剥がされた? おひつじ座の球状星団M12 | アストロピクス

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かつて100万個の星が引き剥がされた? おひつじ座の球状星団M12

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた球状星団M12。M12は、おひつじ座の方向、約2万3000光年の距離にあります。

球状星団は、数十万個の星が球場に集まっている星団で、銀河を取り巻く「ハロー」と呼ばれる領域に分布しています。天の川銀河では150個ほどの球状星団が知られています。

軌道が接近した連星系で、一方の星の物質が伴星に落ち込む際にX線が放出されることがあります。そのようなX線連星は、球状星団のように星が密集した領域で、星どうしが非常に接近することで形成されると考えられています。球状星団としては密集度の低いM12でも、そのようなX線源が発見されています。

M12ではまた、質量の小さな星が従来考えられていたよりもはるかに少ないことが分かっています。銀河中心を周回中、かつてM12が天の川銀河の高密度の領域を通り過ぎた際に、100万個近い低質量の星が引き剥がされたのではないかと見られています。

画像は2011年3月28日にリリースされたハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」の画像です。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA

(参照)ESA/Hubble