ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河の「翼」 | アストロピクス

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ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河の「翼」

この画像は、しし座にある合体しつつある2つの銀河「VV 689」をハッブル宇宙望遠鏡がとらえたものです。2つの銀河が互いの重力で影響を与え合って変形してほぼ左右対称となり、巨大な翼のようになっていることから、VV 689は「エンジェルウイング(天使の翼)」とも呼ばれています。

この画像は、「Galaxy Zoo」という市民科学プロジェクトで発見された銀河を調査する、ハッブル宇宙望遠鏡による観測から得られたものです。このプロジェクトでは、10万人以上のボランティアが銀河の形態を分類し、天文学者が望遠鏡からの膨大なデータを処理する手助けをしました。現在は「Radio Galaxy Zoo」という同様のプロジェクトが進行中です。こちらは遠方銀河の超巨大ブラックホールを探すためのプロジェクトです。

これら2つのプロジェクトから選ばれた天体について、ハッブル宇宙望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)を使って追跡観測が行われました。一般市民の投票によって選ばれたターゲットの中には、リング状の銀河やふつうでない渦巻銀河などとともに、VV 689のような印象的な相互作用銀河も含まれています。

VV 689の周辺のより広範囲を映したこちらの画像では、背景にさまざまな遠方銀河が映し出されています。

画像は2022年4月18日に、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされたものです。

Credit:
ESA/Hubble & NASA, W. Keel.
Acknowledgement: J. Schmidt

(参照)ESA/Hubble