大人になる前の星とその光を反射する星雲

生まれたばかりの星IRAS 10082-5647が画像の中心にあり、その星に照らされた星雲が周囲に見えています。ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像です。

恒星は一生のおよそ80%の期間、中心核で水素の核融合反応によってエネルギーを作り出します。そのような段階を「主系列星」と呼びます。画像の中心にあるIRAS 10082-5647は、生まれてから数百万年しか経っていません。「ハービッグAe/Be型星」と呼ばれる、まだ主系列星の段階に達する前の星です。この星は、いわば大人になる前の星なのです。

このように主系列星の前段階にある星は全体の1%ほどしかありません。いずれ重力崩壊によって星の中心核が十分に高温となって水素の核融合反応が始まり、主系列星の段階へと進化していきます。

画像は2011年10月31日に、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされたものです。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA

(参照)ESA/Hubble