DART衝突で生じた小惑星の「第2の尾」をハッブル望遠鏡が発見 | アストロピクス

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DART衝突で生じた小惑星の「第2の尾」をハッブル望遠鏡が発見

2022年9月26日(日本時間27日)、NASA(アメリカ航空宇宙局)はDART(Double Asteroid Redirection Test、二重小惑星方向転換試験機)を小惑星に衝突させ、その軌道を変更する実験に成功しました。DARTが衝突した小惑星は、小惑星ディディモスと二重小惑星をなすディモルフォスです。

画像は衝突から約2週間後の10月11日に、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したものです。画像右の方へ、衝突による噴出物によってできた「尾」が長く伸びています。このような尾は地上の望遠鏡でも観測されていましたが、ハッブル望遠鏡の画像からは尾が2本あることがわかりました。衝突後、ハッブル望遠鏡はこの小惑星形を18回観測しました。2番目の尾は10月2日から8日の間に形成されたとのことです。なおDARTが衝突したのは、画像の10時の方向からでした。

ハッブル望遠鏡やその他の望遠鏡により様々な時期に観測された噴出物の特徴と、彗星のような尾との関係はまだ分かっていません。北側の尾は新たにできたものです。第2の尾の形成シナリオはいくつもあり、今後ハッブル望遠鏡のデータを詳しく調べて、第2の尾がどのようにしてできたのかを究明していくとのことです。

CREDITS: SCIENCE: NASA, ESA, STScI, Jian-Yang Li (PSI)、IMAGE PROCESSING: Joseph DePasquale

(参照)Hubblesite