ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた惑星状星雲NGC 2392。地上の望遠鏡で見たときの形から「エスキモー星雲」とも呼ばれる惑星状星雲です。ふたご座の方向、約5000光年の距離にあります。1787年にウィリアム・ハーシェルによって発見されました。
太陽と同じくらいの質量の恒星は、年老いると赤色巨星となり、さらに時間が経つと星の外層のガスがゆっくりと離れていって惑星状星雲になります。惑星状星雲では、中心に残された星から放射される紫外線が周囲のガスを電離することで輝いてみえます。
エスキモー星雲の周辺部には、中心の星の方に向いた彗星のような構造が多く見られ、“尾”が外側に向かって流れています。一方、中心付近の明るい部分では、中心星から高速で吹き出した強烈な“風”によってできた泡構造が見られます。
1999年12月、スペースシャトルによる3度目の保守ミッション(SM3A)が実施され、ジャイロスコープの交換などが行われました。上のエスキモー星雲の画像は、そのサービスミッションの後で最初にリリースされた画像の中の1枚です。
Image Credit: NASA, Andrew Fruchter and the ERO Team [Sylvia Baggett (STScI), Richard Hook (ST-ECF), Zoltan Levay (STScI)]
https://hubblesite.org/contents/media/images/2000/07/940-Image.html