春分に近い土星のリングに落ちた衛星ヤヌスの影 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

春分に近い土星のリングに落ちた衛星ヤヌスの影

この画像はカッシーニ探査機が2009年5月10日に撮影したもので、土星のリングに衛星の影が落ちているのが映っています。土星のメインリングは場所によってアルファベットをつけて区分されていますが、画面左下側に明るく見えているのはAリング、右上側に細く見えているのはFリングです。衛星の影はどちらのリングにも落ちています。

土星は約29年で太陽のまわりを公転しています。土星は自転軸が傾いており、時期によって土星のリングに当たる太陽光の角度が変わります。画像が撮影されたのは、2009年8月の春分に近づきつつある時期でした。春分(や秋分)のときには、土星のリングの真横から太陽光が当たります。そしてその時期には、衛星の影が土星本体ではなくリングに落ちるようになります。

上の画像でリングに影を落としているのは衛星ヤヌス(直径179km)です。なお、ヤヌス自体は画像には映っていません。宇宙空間にところどころに見られる小さな白い点は背景の星です。

Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute

(参照)Planetary Photojournal