打ち上げから34年を過ぎたハッブル宇宙望遠鏡。今でも観測を続け、素晴らしいデータや画像を私たちに届けてくれています。そのハッブル望遠鏡が2024年5月24日にセーフモードに入り科学観測を停止しているとNASA(アメリカ航空宇宙局)が公表しました。
NASAによれば、姿勢制御を行うための3つのジャイロスコープのうち1つに不具合が発生し、自動的にセーフモードに入ったとのことです。ジャイロスコープ以外の望遠鏡の状態は良好としています。
ハッブル宇宙望遠鏡は昨年11月、そして今年4月にもジャイロスコープの不具合によってセーフモードに移行して科学観測を中断したことがあります。
ハッブル宇宙望遠鏡については以前、スペースシャトルで一時的に回収して観測装置の交換などの保守ミッションが行われていました。しかしスペースシャトルの退役に伴い、保守ミッションは2009年が最後になりました。
その2009年の5度目の保守ミッションの際、ハッブル望遠鏡の6つのジャイロスコープは全て新しいものに交換されました。その後、3つのジャイロスコープが故障し、残りの3つで望遠鏡を運用してきました。ジャイロスコープが3つあれば効率的な姿勢制御ができますが、いざとなればジャイロスコープが1つでも科学観測は可能となっています。
(参考記事)
ハッブル宇宙望遠鏡、ジャイロ1基の不具合でセーフモードに入り科学観測を中断(2024年4月27日掲載)
ハッブル宇宙望遠鏡、科学観測を再開(2024年5月1日掲載)
ハッブル宇宙望遠鏡 〜 打ち上げまでの経緯と5回の保守ミッション
Image Credit: NASA
(参照)NASA