この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のガリレオ探査機が木星の衛星エウロパの表面をとらえたものです。筋状の地形のほか、赤みがかった斑点状の部分や、浅い穴などが見られます。
これらの斑点や穴の直径はそれぞれ10kmほどです。赤みを帯びた斑点状の部分は「レンティキュラ(lenticulae)」と呼ばれています。これはラテン語で「そばかす」を意味します。成因はわかっていませんが、エウロパの氷の地殻内を、比較的温かい氷が下の方から湧昇してきて形成されているのかもしれません。そこには地下にあるとみられている海の組成などを知る手がかりが含まれている可能性があります。
画像は、ガリレオ探査機によって1998年5月31日に撮影されたものです。その高解像度のモノクロ画像に、1996年6月28日に取得された低解像度の色情報が重ねられています。
1989年10月に打ち上げられたガリレオ探査機は、1995年12月に木星へ到着。2003年9月に木星大気へ突入してミッションを終了するまで、木星を周回しながら観測を続けました。
Image Credit: NASA/JPL/University of Arizona/University of Colorado