
矮小銀河NGC 4449(Caldwell 21)をジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた画像が公開されました。この銀河は、りょうけん座の方向、約1250万光年の距離にあります。天の川銀河を含む局部銀河群の近くにある、M94銀河群を構成する銀河の一つです。
NGC 4449は、数十億年にわたり星形成を続けてきました。現在、これまで以上に爆発的な星形成(スターバースト)が進んでいます。現在のペースで星形成が進むと、星の形成に必要なガスがあと10億年程度で尽きるとみられています。
スターバーストは通常、銀河の中心部で発生しますが、NGC 4449ではより広範囲で星形成活動がみられます。これは、小さな銀河との相互作用、あるいは銀河との合体によって引き起こされた可能性が考えられています。
画像は、ウェッブ望遠鏡のNIRCam (近赤外線カメラ)とMIRI(中間赤外線装置)のデータから作成されました。

こちらはNIRCamの画像です。明るい赤は、新しく形成された星からの放射によって電離した水素ガスの領域に対応しています。中央付近の青くぼんやりとした光は、古い星の分布を示しています。

こちらはMIRIで撮影された画像です。明るい青色の点は星々を示しています。銀河全体に広がる黄色い領域では、新しい星が生まれつつあります。オレンジがかった赤色の領域は、PAH(多環芳香族炭化水素)という、すす状の分子の分布を示しています。
(参考記事)広範囲で星形成が進む矮小不規則銀河NGC 4449 ハッブル望遠鏡が撮影
ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2024年5月29日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。
Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, A. Adamo (Stockholm University) and the FEAST JWST team
(参考)ウェッブ望遠鏡Picture of the Month
(参照)ESA/Webb