これらの画像は、「イーチャス山地(Echus Montes)」と名付けられた火星の丘に見られるひび割れのような地形をとらえたものです。このようなひび割れは、この丘の内部が膨張して持ち上げられたことを示しています。画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターによって撮影されました。
そのような膨張は、地下水の凍結か岩塩ドームの上昇の結果である可能性もあります。ただこの場所の場合、マグマによって押し上げられた「ラコリス(餅盤)」という地形である可能性が高いと見られています。
画像に映る地域では割れ目が複雑に走っています。これは、何度かに分けて割れ目が形成されたことを反映しているように見えます。異なる時期に発生した別のマグマが複数回流入したことによって、イーチャス山地が隆起したのかもしれません。
マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2020年4月28日に撮影されたもので、2021年10月1日のHiPODとして紹介されました。
Image Credit: NASA/JPL/UArizona
(参照)HiRISE