火星の空に浮かぶ衛星フォボスと地球を探査車がとらえた

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車キュリオシティが、火星の空に浮かぶ衛星フォボスと地球を同時に撮影することに成功しました。空を昇りつつあるフォボスと、空を沈みつつある地球が一緒に映っています。

フォボスと地球は、画像の上の方に映っています。画像は2024年9月5日(4295火星日)に撮影されました。短時間露光の5枚の画像と、長時間露光の12枚の画像を合成したものです。

こちらはフォボスと地球のクローズアップ。左にフォボス、右に地球が映っています。フォボスは球形ではなく、ジャガイモのような形をしています。画像からも、そのことがうかがえます。NASA(アメリカ航空宇宙局)の「Planetary Photojournal」によると、火星表面にいる探査車から見た時、この画像の幅は、腕を伸ばした先の親指の幅の約半分にあたるとのことです。

ちなみにフォボスは、差し渡し22km程度の小さな天体です。地球の月(直径3475km)と比べると100分の1以下しかありません。ただ月が地球から約38万4400km離れているのに対し、フォボスは火星から9376kmとかなり近いところを公転しています。そのため実際のサイズが小さい割に、見た目のサイズは大きく見えます。(参考)地球の月と火星の「月」、惑星表面からの見た目の大きさ比較

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS

(参照)Planetary Photojournal