この写真は、地平線から上がってくる月をISS(国際宇宙ステーション)から撮影したものです。月は丸く見えていませんが、欠けているわけではありません。表面を見ると「ウサギ」の模様が、ゆがんではいるものの全体的に見えています。写真が撮影されたのは2021年1月29日。前回の満月から約13時間後ですので、まだ月はほぼまん丸に見えるはずです。
こちらは最初の写真の17秒後に撮影された写真です。ほぼ満月であることが分かると思います。
1枚目と2枚目の写真は、月が地球大気にかかっているかどうかという違いがあります。アストロピクスではこれまでにも似た写真を紹介したことがありますが、冒頭の写真は地球の大気によって月がゆがんで見えているのです。
月からの光は、地球の大気に出入りするときに曲がります。そのとき、空気の密度によって光の曲がり方が異なります。そのため冒頭の写真では月がつぶれたような形に見えています。
Image courtesy of the Earth Science and Remote Sensing Unit, NASA Johnson Space Center