キュリオシティが発見した、火星に落ちた鉄隕石

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS

この画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車キュリオシティが撮影したもので、画面中央に周囲に比べて暗く、表面が滑らかな石が転がっています。キュリオシティの調査によって、この石は鉄隕石(鉄ニッケル合金が主成分の隕石)であることが分かりました。隕石の大きさはゴルフボールほどです。

キュリオシティはChemCamという装置を用いて隕石を調べました。ChemCamはレーザー、カメラ、分光計からなり、岩石などにレーザーを照射し、発生したプラズマの組成を分光計で測定することで、岩石中の鉱物などを調べることができます。隕石の表面にいくつか見られる明るい点は、組成を調査するためにレーザーを当てた跡です。

鉄隕石は地球上でもよく見られる隕石です。火星でも発見されたことはありますが、レーザーを照射するタイプの分光計で調査されたのはこの隕石が初めてです。

画像は2016年10月30日、キュリオシティのマストカメラ(Mastcam)で撮影されました。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/LANL/CNES/IRAP/LPGNantes/CNRS/IAS/MSSS
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/LANL/CNES/IRAP/LPGNantes/CNRS/IAS/MSSS

こちらは隕石のクローズアップです。この画像は、冒頭の画像が撮影されたのと同じ日に、ChemCamのカメラで撮影された2枚の画像に、Mastcamで撮影された画像の色を加えたものです。

(参照)Planetary Photojournal(1)(2)