探査車キュリオシティ、火星着陸10周年! | アストロピクス

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探査車キュリオシティ、火星着陸10周年!

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車キュリオシティが火星着陸に成功したのは2012年8月6日(世界時)。上の画像は、キュリオシティの着陸10周年を記念してNASAが制作したポスターです。キュリオシティのイラストとともに「10」の文字があしらわれています。

キュリオシティは着陸以来、ゲール・クレーターとその中央にある高さ5kmのアイオリス山(シャープ山)のふもと付近の探索を行ってきました。

キュリオシティの主な目標は、火星がかつて生命に適した環境だったかどうかを探ることです。これまでのキュリオシティの探査により、川で流されたとみられる滑らかで丸い小石や、湖の底で形成されたとみられる岩など、過去に液体の水が持続的に存在していた証拠が発見されました。

またキュリオシティが採取したサンプルの分析により有機分子が発見されました。この発見は、必ずしも生命が存在していた(いる)ことを意味しているわけではありませんが、ある時期に生命が誕生するための材料が存在していたことを示しています。

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総走行距離は約29km

こちらはポスターの裏面のデータです。キュリオシティが成しとげた、2022年7月11日現在での数字がいくつか書かれています。

それによるとこれまでの走行距離は28.2kmで、高低差は612m。取得した画像は49万4540枚にのぼります。41個の岩石や砂のサンプルを分析しました。着陸以来、310.2GBのデータが地球に送られ、883点の科学論文が出版されました。その後も数字は更新されており、NASAによると走行距離は約29km、高低差は625mになっているとのことです。

こちらはキュリオシティのこれまでの経路を示したものです。キュリオシティのこれまでの経路や現在地の詳細を確認したい方は、NASAのウェブサイトをご覧ください。

キュリオシティは今後、硝酸塩の豊富な地域を探索する予定です。洪水でできたとみられる場所や、地下水の影響を示す亀裂などのターゲットが考えられています。

これまでの火星探査車(ローバー)では、NASAのオポチュニティが約15年間にわたり探査を行った例があります。キュリオシティはいつまで活躍を続けるのか。キュリオシティの運用には多くのエンジニアが関わっています。慎重な計画、そしてエンジニアたちの日々の仕事と工夫により、キュリオシティが今後も長く活躍することが期待されています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

(参照)Mars Exploration ProgramJPL