ハッブル望遠鏡がとらえた宇宙の宝箱、球状星団ターザン9 | アストロピクス

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ハッブル望遠鏡がとらえた宇宙の宝箱、球状星団ターザン9

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、いて座の球状星団ターザン9(Terzan 9)。2022年6月13日に、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされた画像です。

球状星団は数万から数百万個の星が、比較的狭い範囲に球状に集まった星団です。この画像にも映っているように、球状星団の中心部にいくほど星が密集しています。画像には多くの星がきらめいており、まるで宝箱の中をのぞいているかのようです。

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)とACS(掃天観測用高性能カメラ)を使って撮影されました。天の川銀河の中心方向にある球状星団を調査するハッブル宇宙望遠鏡のプログラムの一環で撮影されました。

天の川銀河の中央部には、銀河円盤と比べて膨らんだ「バルジ」と呼ばれる星が密集した領域があります。バルジには星間塵が多く存在しています。その塵が星の光を吸収して見かけの色を変えてしまうため、銀河中心付近にある球状星団の研究は困難でした。

ハッブル宇宙望遠鏡による可視光と赤外線での観測により、星間塵によって球状星団の色がどのように変わるかを測定し、それによりバルジにある球状星団の年齢がわかりました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Cohen

(参照)ESA/Hubble