ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河団SPT-CL J0019-2026と重力レンズで歪んだ銀河 | アストロピクス

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ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河団SPT-CL J0019-2026と重力レンズで歪んだ銀河

この画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したもので、くじら座方向、46億光年の距離にある巨大な銀河団が映っています。2023年2月20日にハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開された画像です。

「SPT-CL J0019-2026」と名付けられている中央の銀河団の周辺の銀河は、引き伸ばされて弧を描いているように見えます。これは「重力レンズ効果」によって引き起こされているものです。銀河団のような巨大な質量の天体があると、質量によって空間が歪むことで奥にある天体からの光が曲がります。それにより天体の像が拡大したり歪んで見えたりします。通常は遠すぎて観測できない天体も、重力レンズによって見えることがあります。

ハッブル望遠鏡には多くの観測提案が寄せられます。それらの案の中から選ばれたターゲットについて観測を行いますが、スケジュールには隙間時間がどうしても発生します。冒頭の銀河団の画像は、そのような「空き時間」を利用して観測されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, H. Ebeling

(参照)ESA/Hubble