銀河を取り囲むアインシュタイン・リング ハッブル望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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銀河を取り囲むアインシュタイン・リング ハッブル望遠鏡が撮影

この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、画像中央には「アインシュタイン・リング」とよばれる現象が映っています。

アインシュタイン・リングは、重力レンズ効果によって生じます。アインシュタインの一般相対性理論によると、質量のある天体(物体)のまわりでは空間がゆがみ、そこを通る光の経路が曲がります。光学的なレンズと同じようなはたらきをすることから、これは「重力レンズ効果」と呼ばれます。

遠方の銀河と地球との間に、銀河や銀河団などの天体があると、重力レンズ効果によって遠方銀河の像がゆがんだり引き伸ばされたりすることがあります。なかでもリング状にゆがんで見える現象は「アインシュタイン・リング」と呼ばれます。

画像の中央で明るく光る点は、約27億光年の距離にある銀河SDSS J020941.27+001558.4です。そのすぐ上には、もう一つの銀河SDSS J020941.23+001600.7が点状にみえています。そして中央の銀河の周囲に、非常に遠方にある銀河がアインシュタイン・リングとなって円弧状にみえています。この天体はHerS J020941.1+001557として知られています。

画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年1月1日に公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, H. Nayyeri, L. Marchetti, J. Lowenthal

(参照)ESA/Hubble