ガリレオ探査機がとらえた木星の白斑と雲 | アストロピクス

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ガリレオ探査機がとらえた木星の白斑と雲

この画像に映っているのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)のガリレオ探査機がとらえた木星です。楕円形の渦が複数映っています。どちらも擬似カラー画像ではありますが、2枚目は人間の目で見たときに近い色になっています。

天地中央付近に横に並ぶ2つの楕円形の渦は、1930年代に大赤斑の南に形成された3つの白斑のうちの2つで、大赤斑と同じように反時計回りに回転しています。左の白斑は、東西方向の幅が9000kmあります。2つの白斑の間、画像の中心には時計回りに回転するゆがんだ形の低気圧が映っています。

1枚目の画像は3つの赤外線波長を組み合わせたものです。756ナノメートルを赤、727ナノメートルを緑、889ナノメートルを青に割り当てて合成されています。色は雲の高さや厚さの変化を示しています。明るい青は高度が高く薄い雲、赤は深いところにある雲、白は高度が高く厚い雲を示しています。白斑の雲ともやの高度は高く、木星の成層圏まで広がっています。

2枚目の画像は紫(410ナノメートル)と近赤外線(756ナノメートル)のフィルタ画像を組み合わせたものです。色の違いは、木星の大気中の微量な化学物質の組成や量の違いによるものです。

どちらの画像も1997年2月19日に、110万kmの距離から撮影されました。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

(参照)Planetary Photojournal(1)(2)