これらの画像は、 ハッブル宇宙望遠鏡が天王星をとらえたものです。左は2014年に撮影された画像、右は2022年に撮影された最新画像です。2014年からスタートした、ハッブル宇宙望遠鏡で外惑星の大気を観測するプロジェクト「OPAL(Outer Planet Atmospheres Legacy)」の一環で撮影されました。
天王星の自転軸は公転面に対して98度傾いており、ほぼ横倒しの状態で太陽のまわりを約84年かけて公転しています。そのため最大で42年間は、惑星の半球の一部に太陽光が全く届かない状況になります。1980年代にボイジャー2号が天王星を訪れたころ、天王星の南極がほぼ太陽に向いていました。現在は天王星の北極が太陽に向いています。
2014年の撮影画像
こちらは2014年11月に撮影された天王星です。北半球の春分点から7年後、太陽が天王星の赤道を照らしていました。メタンの氷の雲を伴う複数の嵐が北半球の中緯度地域に現れています。リングもうっすらと見えています。
2022年の撮影画像
こちらは2022年11月に撮影されたものです。天王星の北極地域が、光化学スモッグで覆われているのが映っています。ハッブル宇宙望遠鏡の観測から、天王星の北極冠が年々明るくなっていることがわかっています。分点に位置していた2007年には、天王星の両極はどちらも明るくありませんでした。2028年の北半球の夏至に近づくにつれて、極冠はさらに明るくなり、また地球に対して正面を向くようになります。2014年の画像と比べると、リングがより円に近い形で見えています。リングも2028年に近づくにつれて、より真上から見えるようになります。
Credits
SCIENCE: NASA, ESA, STScI, Amy Simon (NASA-GSFC), Michael H. Wong (UC Berkeley)
IMAGE PROCESSING: Joseph DePasquale (STScI)
(参照)Hubblesite